リダイレクトがSEOに与える影響とは?種類や正しい設定方法を解説
こんにちは、Wembrayの國平です!
Webサイトを運営している中で「リダイレクト」と聞くことがありませんか?
リダイレクトは特定のケースでしか設定しないため、よくわからないままサイト運営を行っていらっしゃる方もいるかと思います。
いざ設定しなければならないときに忘れてしまう、設定方法がわからないなどがあると、今まで築き上げてきたSEO評価が一気に無駄になってしまう可能性があります。
今回はSEO評価を無駄にしないためのリダイレクトについて、設定方法や注意点などを解説していきます!
リダイレクトとは?
リダイレクトとは、ドメインやディレクトリの変更などによってURLが変わった際に、旧ページに流入したユーザーを新ページへ転送させる処理のことです。
リダイレクト設定を行っていない場合は404エラーページが表示され、ユーザーが求めていたコンテンツにたどり着けず、離脱してしまう原因となります。
リダイレクトの種類
リダイレクトにはいくつか種類がありますが、多く使われているのは以下の2つになります。
- 301リダイレクト
- 302リダイレクト
それぞれの役割や用途を解説します。
301リダイレクト
301リダイレクトは恒久的・永続的に転送させるという意味を持ち、ドメインの変更などによりURLが変更されたときに、すでに使われなくなったURLから新しいURLへ自動的にアクセスさせるためのものになります。
301リダイレクトを設定することで旧ページが積み上げてきたSEO評価をそのまま新ページに引き継がせることが可能です。
また、URLの正規化を目的として設定される場合もあります。
URLの正規化とは、異なるURLで同じコンテンツが表示される場合にそれらを統合し、一元化することです。
例えば以下の2つのURLがあった場合、どちらも表示されるコンテンツは同じですが、Googleからみると別のページであると認識されるため、SEO評価が分散されることとなります。
① https://www.example.com/index.html
② https://example.com/index.html
いずれか一方のURLに統合することで、SEO評価も統合されます。同じコンテンツ同士でSEO評価が分散されて、結果的にサイト全体の評価が低いままとなってしまうことを防ぐことができます。
302リダイレクト
302リダイレクトは、一時的にページを遷移させるという意味を持ちます。
ABテストで一時的にページを公開する場合や、サイトメンテナンス時に表示させる画面など、公開期間が限定的なものに対して設定します。
一時的なリダイレクトのため、基本的にSEO評価は引き継がれませんが、公開・設定期間が長いと引き継がれる場合があります。
リダイレクト設定が必要なケース
次にリダイレクトを設定しなければならないケースを紹介します。
ドメインが変わるとき
社名変更やその他要因でサイトのドメインが変更になることがあるかと思います。
そのような場合、サイト内のすべてのコンテンツが新しいドメインへと変更となるので、リダイレクトが必要になります。
URL構造が変わったとき
ドメインはそのままでディレクトリ構造を変更した場合にも、リダイレクト設定が必要となります。
重複ページのコンテンツを統合するとき
サイト内に同じコンテンツや同じキーワードのコンテンツがある場合には、カニバリゼーションが発生する可能性があるため、SEO評価をいずれか1つのコンテンツに集中させるために統合させることが重要です。
このコンテンツ統合をした際にリダイレクト設定が必要となります。
カニバリゼーションとは、同じサイト内でSEO評価の競合が発生し、結果的にサイト全体があまり評価を得られない状態のことです。
301リダイレクトの設定方法
リダイレクトの設定方法には、大きく分けて2種類存在します。
- サーバーサイドリダイレクト
- クライアントサイドリダイレクト
サーバーサイドリダイレクトは、サイトを置いているサーバー上で .htaccess(Apache)に設定を追記する方法で、クライアントサイドリダイレクトは、meta refreshやJavaScriptでリダイレクトをさせる設定方法のことです。
クライアントサイドリダイレクトは重複コンテンツと認識される可能性があり、またリダイレクトの速度もサーバーサイドリダイレクトと比較して遅いため、基本的にGoogleはサーバーサイドリダイレクトを推奨しています。
Google公式サイト
https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/301-redirects?hl=ja
今回は、Googleが推奨しているサーバーサイドリダイレクトでの設定方法をご紹介します。
新ドメインにリダイレクトさせる
旧ドメインのURLから新ドメインにリダイレクトさせるときは、.htaccessファイルに以下の記述を追記します。
RewriteEngine on
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^(www\.)?example\.com$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://sample.com/$1 [R=301,L]
旧ドメイン:example.com
新ドメイン:sample.com
新しいディレクトリにリダイレクトさせる
ディレクトリを変更して、新ディレクトリにリダイレクトさせるときは、.htaccessファイルに以下の記述を追記します。
RewriteEngine on
RewriteRule ^old/(.*)$ /new/$1 [R=301,L]
旧ディレクトリ:https://example.com/old/~~
新ディレクトリ:https://example.com/new/~~
新ページにリダイレクトさせる
同じサイト内でページを新しくする場合や、重複しているコンテンツを統合する場合は、.htaccessファイルに以下の記述を追記します。
RewriteEngine on
RewriteRule ^old-page/?$ /new-page/ [R=301,L]
旧ページ:https://example.com/old-page
新ページ:https://example.com/new-page
wwwなしのURLにリダイレクトさせる
URLの正規化のため、wwwありのURLをwwwなしのURLに統一する場合には、.htaccessファイルに以下の記述を追記します。
RewriteEngine on
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^(www.example\.com)(:80)? [NC]
RewriteRule ^(.*) http://example.com/$1 [R=301,L]
wwwあり:https://www.example.com
wwwなし:https://example.com
リダイレクト設定時の注意点
リダイレクトを設定する際には注意すべき点についてご紹介します。
最低でも1年間はリダイレクト設定を保持する
リダイレクトを設定すると旧ページのSEO評価が新ページに引き継がれますが、完全に評価が引き継がれるまでに十分な期間を確保することが必要です。
リダイレクトを設定したページ数やサイトの規模によって評価の引き継ぎに必要な期間が数週間~数か月と変わってきます。
SEO評価が引き継がれる前に設定を解除してしまうと、今までのSEO評価が無駄になってしまうことになりかねません。
そのような事態を回避するため、最低限1年以上の期間はリダイレクトを設定しておきましょう。
低い評価も引き継いでしまう
高い評価だけ引き継いでくれればいいのですが、実際にはそうではありません。
低い評価も関係なくリダイレクト先に引き継がれてしまいます。
質の低いコンテンツや低品質の被リンクが多くついているページなどをリダイレクトするよりも、新規ページとして認識させた方がSEO評価が早く上がる可能性があります。
事前にリダイレクト前後のコンテンツをシートにまとめるなどして、各コンテンツを紐づけしておくことでどのページに対してリダイレクトが必要か判断できるようにしましょう。
内容が同じもしくは近いコンテンツにリダイレクトさせる
内容があまりにも違うコンテンツに対してリダイレクト設定をすると、SEO評価がうまく引き継げない場合があります。
また、ユーザが最初にアクセスしたコンテンツと全く違うものが表示されるということになるので、ユーザが混乱し、結果的にサイトの満足度・ユーザビリティの低下につながります。
リダイレクト前後は関連性が高く、内容が近いコンテンツにしましょう。
内部・外部リンクを忘れずに更新する
リダイレクト設定中は内部・外部リンクがそのままでもリダイレクトしてくれるので特に影響ありませんが、リダイレクト設定を解除すると存在しないページにアクセスしてしまい、404エラーページが表示される可能性があります。
このようなエラー発生もユーザビリティが低下し、サイトからの離脱を招いてしまうので、リダイレクト設定をしている間にコンテンツのリンクを整理しましょう。
日頃から各コンテンツの内部リンクをまとめておくことで漏れなくリンクの整理をすることが可能です。
まとめ
サイトを運営しているとリダイレクトが必要な場面がやってきます。
これまでに築き上げてきたSEO評価を無駄にしないように、自社サイトがどのケースにあたるのか、どのような設定をすればよいのか事前調査を行うことが大切です。
また、設定の直前にコンテンツの調査をすると予定していたスケジュールに間に合わない可能性も出てくるため、常日頃から各コンテンツの管理をして、サイト移転をスムーズに行えるようにしましょう。
リダイレクトは常日頃から設定するわけではない上に、.htaccessは設定内容が難しく、少しでも記述を間違えるとサイト全体でエラーが発生してしまう可能性があるとても繊細な作業となります。
初心者のサイト担当者で設定が不安な場合には、専門業者や技術者に依頼することをおすすめします。